僕は、宮台真司氏のブログを読むのも趣味の一つなのだが、今日は久しぶりに「社会学入門講座」を読み返してみた。その「第一回「「社会」とは何か」」の中には「この問いは、経済学の営みが前提とする「市場とは何か」という問題に比べれば抽象的すぎ、私た…
僕が定期的に購読しているblogに「カフェ・ヒラカワ店主軽薄」というものがある。ここで「不可視のコミュニケーション。」というエントリーを読んだ。とてもおもしろいものだと思った。特に、コミュニケーションというものに対する視点がすばらしいと思った…
民主党の、「2020年までに温暖化ガスを1990年レベルから25%を削減する」ということに対して、かなりのネガティブキャンペーンがマスコミを中心に行われている。これに対して、新しいマル激では、それが可能だという主張を展開する放送を配信している。その…
自民党総裁選が終わり、河野太郎氏がまたもや主流となることなく終わった。それでも、前回の総裁選では20人の推薦人が集まらずに、立候補すら出来なかったことを考えれば、少しはましになったのかもしれない。しかし、自民党の中にある危機感というものが、…
山崎養世さんの高速道路無料化に僕が共感するのは、それが全体を見通した長期的展望に立った提案だからでもある。地方に空港があれば便利だという状態を作り出すには、地方にも都市部に匹敵するような人口が分散しなければならないだろう。地方の過疎化をそ…
八ッ場ダムの中止の問題は民主党新政権が苦労しているものの一つだが、これはそもそもの原因が自民党の政治的判断が先の見通しのないずさんなものであったがために起こった問題ではないかと思える。製造計画から50年以上を経てもなおダム本体の工事に着工も…
ニュースステイションの報道で、渋滞の高速道路の利用者の声を伝えているものがあった。その声の一つに、「行楽に行く余裕のある人たちのために無料化をしなくてもいいんじゃないか(むしろ、そういう人たちからは金を取った方がいいというニュアンスを感じた…
テレビのニュースを見ていたら、八ッ場ダムに対して、「もう工事の7割が終わっているのに、ここで中止したら今までの工事がムダになるし、これまで使ってきた金はどうなるのか?」というような論調で中止に反対するような意見が提出されていた。これは、一見…
鳩山首相の最初の記者会見がすべてのメディアにオープンにされなかったことでインターネット上で大きな批判の波が起こっている。特に神保哲生氏の「ビデオジャーナリスト神保哲生のブログ」に、その情報が詳しく報告されている。神保氏やフリーのジャーナリ…
高速道路の借金について、山崎養世さんの『道路問題を解く』(ダイヤモンド社)という著書から抜き書きしてその部分を考えてみようと思う。この借金に関しては、マスコミの報道では、高速道路の通行料金収入の一部を宛てて返済する計画が語られている。そして…
高速道路の無料化に関するライブドアブログのエントリー「高速道路の無料化」にトラックバックをもらった。生粋さんというハンドルネームの方で、「高速無料反対は世論操作か」というエントリーで、山崎さんの主張に関する疑問を提出している。これは、大変…
新しく配信されたマル激では高速道路の無料化を巡って、山崎養世さんをゲストに招いて、その疑問点に逐一答えるという放送をしていた。この高速道路の無料化については、あれだけ民主党に投票した国民が、これには大多数が反対しているという奇妙な世論調査…
ここ数日間、どちらかというと積極的にNHKのニュースを見てみた。目についたニュースは、やはり裁判員制度に関するものだった。これは実際に大きなニュースであり、このことに時間を割き、詳しく報道すること自体は間違いではないと思う。しかしその報道…
前回のエントリーで、受信料を払っていないのでNHKを見ないようにしていると書いたのだが、よく考えてみるとそれはちょっと間違えたかなという気がしている。受信料を拒否している人には、「見ないから払わない」という人が多いようだ。これはそれなりに…
引っ越しをしたときに、いろいろな手続きをしてそれをきっかけにNHKの受信料を拒否したのがかれこれ15年近く前になるだろうか。それ以前から本多勝一さんの『NHK受信料拒否の論理』を読んでいたので、いつかきっかけがあれば拒否の意思を示したいとは…
森達也さんの『悪役レスラーは笑う』(岩波新書)を読んで以来、またかつてのプロレス熱が甦って、今プロレスに関する本をいくつか読んでいる。主に読んでいるのは、新日本プロレスでレフェリーとして活躍したミスター高橋さんが書いた一連の本だ。僕がプロ…
森達也さんの本を立て続けに2冊夢中になって読んだ。一つは『悪役レスラーは笑う』(岩波新書)というもので、これは戦後まもなくアメリカで活躍したグレート東郷というレスラーについて書かれたものだ。僕は小学生の頃に若いアントニオ猪木のファンになって…
仮説実験授業の提唱者の板倉聖宣さんは、民主主義を「最後の奴隷制」と語っていた。奴隷というのは意志のある主体的な存在とは認められず、その持ち主の意志に従ってどうにでもなる存在だ。民主主義における人間も、自らの意志に反して他者の意志を強制され…
宮台真司氏は『14歳からの社会学』の第2章で社会のルールについて語っている。社会にある種のルールが存在するのはある意味では当たり前で、そのルールにほとんどの人が従っているときは、それがルールであることさえも意識せずにいるだろう。しかし、そのル…
宮台真司氏が『14歳からの社会学』という本を書いた。この本は、14歳でも読めるように、知識と経験に乏しい人でもその内容が分かるように配慮されて書いてある。一つの社会学入門書と言っていいだろう。子供のための入門書は、例えば「14歳のための○○」とい…
昨日たまたまテレビを見ていたら、開戦当時の日本を描いたドラマをやっていた。ビートたけしが主人公の東條英機を演じたドラマで、主人公にするくらいであるから、A級戦犯としての東條のイメージとはかけ離れた、その人間的な魅力を描いたドラマとなってい…
この本は、「亜細亜主義の顛末に学べ」と題されているのに、「亜細亜主義」についてはほとんど具体的な記述がないという不思議な本だ。「亜細亜主義」についてはすでに一定の予備知識を持っているという前提で書かれているようだが、その「顛末」をどう理解…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)の論文「日本は侵略国家であったのか」を考察してみようと思ったそもそものきっかけは、この論文の主張に共感する人が意外に多いということだった。僕自身は論理的な弱さを感じていただけに、自分の中には共感する気持ち…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)は論文「日本は侵略国家であったのか」で、前回に続く文章として次のように記述している。 「我が国は満州や朝鮮半島や台湾に学校を多く造り現地人の教育に力を入れた。道路、発電所、水道など生活のインフラも数多く残し…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)は論文「日本は侵略国家であったのか」で、次に「張作霖列車爆破事件」を取り上げて、これが「コミンテルンの仕業という説」を紹介して日本の正しさの一端を論証しようとしている。しかしこの論証は、あまり本質的なもの…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)の論文「日本は侵略国家であったのか」の中の次の「判断」を示す文章として以下のものを考察しよう。 「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者なのである。」 この文章も、「判断」を示す「で」「ある」…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)の論文「日本は侵略国家であったのか」の中から「判断」を直接語っているように読める部分を探し出し、その「判断」が導かれる過程の論理展開を考えてみようかと思う。まず最初の考察の対象となるのは次の文章だ。 「現在…
田母神俊雄氏(防衛省航空幕僚長空将)の論文「日本は侵略国家であったのか」を論理的に考察してみようかと思う。田母神氏が展開している文章を、「事実」と「判断」と「意見(主観の表現)」とに分けて、「判断」に当たる部分の論理性を考えてみようとするも…
レヴィ・ストロースが発見した人類学における群構造は、婚姻の規則におけるそれが有名だが、『思想の中の数学的構造』(山下正男・著、ちくま学芸文庫)にはもう一つの群構造が紹介されている。そのこと自体は内田樹さんの著書でも何回も紹介されているので…
楽天のブログに次のようなエントリーをアップした。 「レヴィ・ストロースの「親族の基本構造」における群構造の理解」、「クラインの四元群と親族の構造」(ライブドアブログ)、「レヴィ・ストロースの「親族の基本構造」における群構造の理解」、「クライ…