ライブドアの犯罪性

マル激トークオン・デマンドで上村達男氏(早稲田大学法学部教授)を迎えて、「第252回ライブドア事件が問う「日本は本当にアメリカ型の市場システムでいいのか?!」」というライブドアに関する問題を扱っていた。これで、ようやくライブドア問題の一端が分かったという感じがした。
ライブドアの犯罪性に関しては、一般の個人投資家に多大な損害を与えたと言うことがポイントのようだ。個人投資家の金を吸い上げてライブドアは成長してきたのだが、それは、ライブドアという会社が、実質的に成長して金を集めたのではなく、単に「買いたい人」が増えただけのことで金が集まったに過ぎないと言うことから来るようだ。この「買いたい」という欲望の喚起に不正な面があったようだ。
しかし、気になったのは、この不正の一つに「株式分割」という行為があるのだが、これは必ずしも違法行為になっていないと言うことだ。ライブドアは、「株式分割」によって株の値段をつり上げたと言われているが、それは100分割などという、常識では考えられないやり方でやっているらしい。法律が想定していない方法だったので違法にはならなかったが、このからくりは明らかに不正をはらんでいるように感じる。会社は何も変わっていないのに、株式を分割するだけで株が上がるのは論理的におかしい。これは、不当に「買いたい」という欲望を喚起しているのではないかと思われる。
ライブドアの犯罪性は、違法につながるものもあるのだろうが、システムとして何が重大かは、違法性と比例していないようにも感じる。マル激のおかげで、この事件の全体性が少し分かってきたように感じるので、これをシステムという観点からもっと深く理解出来ないかを考えたい。