2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

国語的文章読解と論理的文章読解

野矢茂樹さんの『論理トレーニング』(産業図書)という本で改めて論理について考えている。野矢さんは、この本の冒頭で「「論理」とは、言葉が相互に持っている関連性に他ならない」と述べている。論理とは、極めて言葉に深いかかわりのあるものなのだ。だ…

解像度の問題

マル激トークオンデマンドに『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)の著者の福岡伸一さんがゲストで出ていたときに、福岡さんが語っていた「解像度」という言葉が印象に残っている。解像度の高い画像では、より細かい部分が鮮明に表現される。福岡さん…

運動における弁証法的矛盾

三浦つとむさんは、『弁証法はどういう科学か』(講談社現代新書)の中で、ヘーゲルは「ゼノンの詭弁(パラドックス)」に正しい解答を与えたとして、次のヘーゲルの言葉を引用して運動における矛盾の説明をしている。 「この矛盾はあちこちに見受けられる単…

空気と文脈

宮台真司氏が「昨年の映画を総括しました〔一部すでにアップした文章と重なりますが…)」という文章で 「携帯小説の編集者によれば、情景描写や関係性描写を省かないと、若い読者が「自分が拒絶された」と感じるらしいんです。情緒的な機微が描かれていない…

他者への伝達

2回ほど前のマル激トークオンデマンドでは、生物学者の福岡伸一さんがゲストに招かれていた。そこでなされていた議論の中心は生命についてなのだが、それ以上に印象に残った言葉は、福岡さんがスキーを習ったときのエピソードだった。そこに、教育というも…

ノーミソの目で映画を見る

評判になった映画がようやくケーブルテレビにも回ってきたので、年末年始にかけていくつか映画を見ていた。このところ「同じものを見ているか」というテーマでいろいろなことを考えてきたので、その応用として、ノーミソの目で見る映画というものを考えてみ…