2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

文脈からの文意の理解、あるいは文脈の勘違いによる誤読

内田樹さんの「2006年07月23日 Take good care of my baby」というエントリーに関する文章をいくつか書いたのだが、そのうちのはてなダイアリーに書いたものにwitigさんという方からトラックバックをもらった。はてなダイアリーのトラックバックは、アダルト…

理論と実践(あるいは科学と現実)の問題

現実と乖離した理論というものを考えていたら、これも弁証法的に捉えることが出来るのではないかという感じがしてきた。普通は、現実と乖離した理論は、現実への有効性を欠くことになり役に立たないとされてしまうことが多いだろう。しかし、現実と乖離して…

必要条件と十分条件

igelさんが「内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 5」というエントリーに書いた「コメント」に、論理的に面白いと思われる内容があった。それは、 「シグナルが読めるのは母親でなくてもかまわないと言うことから、細やかなコミュニケーションが母親…

沖縄県知事選、保守勢力勝利の意味

沖縄県知事選で「自公」が推す仲井真氏が初当選した。この選挙については、今週配信されたマル激の中で、宮台氏が「糸数氏が当選しそうですし」と語っていただけに、残念な気持ちが強い。それと同時に、教育基本法が国会を通過しそうなことなどを考え合わせ…

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 6

瀬戸さんが「母親と保育所とおむつ」というエントリーで最後に書いた、内田さんの「2006年07月23日 Take good care of my baby」の中の三砂さんの研究に関する部分の判断(解釈または感想)の残りの二つについて考えてみようと思う。2番目のものは、 2「そ…

左翼(学校)の全体主義

いじめ問題を扱ったマル激の議論の中で、ゲストの内藤朝雄さんが言った「右翼も左翼も全体主義が好きだ」という言葉が印象に残った。この場合の「右翼」と「左翼」は定義が曖昧な言葉だが、多くの人からそう見られている集団という程度に受け止めればいいの…

教育基本法改正のメンタリティ

教育基本法改正案が衆院本会議を通過した。衆議院は与党が圧倒的多数を占めているのだから、どのような法案であろうと、与党がそれを通したいと思えば通る状態にはなっている。だから、これはある意味では予想されたものなのであるが、各種新聞社説やインタ…

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 5

瀬戸さんの「母親と保育所とおむつ」というエントリーの最後に書かれた、内田さんの「2006年07月23日 Take good care of my baby」の中の三砂さんの研究に関する部分の判断(解釈または感想)について考えてみようと思う。まずはそれを箇条書きにしてみる。 …

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 4

瀬戸さんの「母親と保育所とおむつ」というエントリーの中の、内田さんの文章に関する部分の記述の理解を図ろうと思う。前回と同様に、まずはその判断の部分を拾い出し、次にその判断の根拠になった事実の方を探そうと思う。まずは判断として見つけられるの…

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 3

瀬戸さんが「母親と保育所とおむつ」で主張していることを出来るだけ正確に読みとるように努力してみようと思う。これは意味を読みとると言うことだ。意味というのは、同じ形式であっても内容が違うと言うことがあるので、それを正確に読みとるのは難しい。…

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 2

瀬戸さんの「母親と保育所とおむつ」で主張されている内容に立ち入る前に、もう少し長い前置きを書いておきたいと思う。これは、内田さんが直接論じていることではないのだが、僕が内田さんの言説を肯定的に受け取る素地として考えておいた方がいいと思うこ…

内田さんのフェミニズム批判の意味を考える 1

「仮言命題そのものの真理性とその前件と後件の真理性」という古いエントリーに、瀬戸智子さんから「母親と保育所とおむつ」というトラックバックをもらった。僕はおおむね内田さんの主張を肯定的に受け取っており、瀬戸さんは否定的に受け取っているように…

ナショナリズムはなぜポピュラーになるか

マル激を聞いていると、宮台氏がナショナリズムについて発言することが多いのだが、現代社会においてポピュリズムを獲得するにはナショナリストでなければならないという発言をよく聞く。この意味が僕にはあまりよく分からない。確かに現象としてみれば、小…

「北朝鮮」の行為の戦略性を考える

青山貞一さんの「北朝鮮の「核保有」で憂慮される課題(2)」という記事に、「北朝鮮問題は劇的に解決を迎える!」という日刊ゲンダイの興味深い記事が転載されている。青山さんは、「以下の日刊ゲンダイの速報は、6カ国協議再開の裏側をえぐっている」と…

自分の素質と才能を知る−−夢とその断念について

休みの日は、youtubeで見つけた押尾コータローという人のギター演奏に聴き入っていた。なかなか見事なテクニックと楽しそうに演奏するその姿に好感を持って見入っていた。そして彼が自分について語った番組のクリップを見て、ますます好感の度が強まったのを…

宮台氏の「左翼の嘘」という発言の意味

漫画家の江川達也氏をゲストに招いたマル激の議論で、宮台真司氏は「左翼の嘘」という表現を使った。これは、「朝鮮人強制連行」に関わる言説で、「全て」の在日朝鮮人が強制連行で連れてこられたというのは嘘であって、強制連行による人も「存在した」のは…

疑問を感じる教育界の二つの事件

いじめによる自殺ではないかと思われている事件において、学校側が「いじめの事実が確認出来ない」と主張することが続いているようだ。これは学校側の認識の甘さや責任逃れという面が感じられて、外から見ている人間にはケシカランことのように映るのではな…