2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

論理トレーニング4 順接の論理;練習問題1の続き

問2から問4までは、[ ]の中から接続詞を選び、番号のついた文の論理構造を分析するというものだ。考えてみよう。 問2 (1)私たちは普通、現実世界のいくつかの断片を素材にして、夜の夢の世界が構築されるのだと思っているが、 (2)実はまったく逆…

論理トレーニング3 順接の論理;練習問題1の続き

4 (1)芸術が20世紀において生活の中心から「余白の部分」に追いやられてしまったということは、創造者と享受者が分離したことと無関係ではない。 (接続詞) (2)享受者の側にとって、創造者がいよいよ遠い存在になるとすればなおさらのことである。…

論理トレーニング2 順接の論理;練習問題1

野矢さんが提出する練習問題の考察をメモしておこうと思う。まずは、順接の論理に関する練習問題だ。( )に接続詞を入れるのと、それぞれの番号がついた文章の間に成立する順接の論理構造を分析する問題だ。 1 (1)理論的に人間関係をその結びつき方の形…

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僕は、本格的にインターネットを始めてからはかれこれ7,8年は過ぎただろうか。最初はメーリングリストという、メール中心のネットワークで交流をしていた。そのころから、文章だけでのやりとりは、一度感情的にもつれてしまうと収拾がつかなくなるところ…

論理トレーニング1 順接の論理

野矢さんの『論理トレーニング』のメモを残していこう。まずは第1章の「順接の論理」だ。これは <議論の流れが変わらない場合の接続構造一般を表す。> と定義されている。つまり、ある主張がなされたとき、その主張を受けたり展開したりする流れを作ると…

論理のテクニック

野矢茂樹さんの本が面白い。『論理トレーニング』という本を読み始めているのだが、これによって論理のテクニックを学べば、これはディベートの訓練をするよりも遙かに論理を身につけることが出来ると感じている。 ディベートというのは、一種のゲームである…

「親友」「友達」の概念

以前に宮台真司氏が、最近の若者たちの間では「親友」という言葉の概念が違ってきていると言うことを話していた。宮台氏は僕より3つくらい年下で、だいたい同世代だから、宮台氏が語る「親友」という言葉のニュアンスはだいたい分かる。 僕は中学生の時に武…

「議論」とは何か

僕はインターネットを本格的に始めてからかれこれ7,8年たつだろうと思う。インターネット上の議論らしきものも何度か経験したが、本当に議論だと感じたものはほとんど無い。たいていが議論もどきのものに過ぎなかった。インターネットではまともな議論な…

「論理」とは何か

僕は「論理」というものの定義を、世界の持っている法則性を捉えたものと考えている。世界というのは、自分が存在している環境の一切を含む対象だ。この環境は具体的な物質的存在もあるし、主観の中の存在も自己と区別出来るものは環境という世界として捉え…

他人の痛みが分かるか

野矢さんの哲学エッセイ『哲学・航海日誌』(春秋社)は「他者」の問題から、まず入っている。他者をどのようにして認識出来るかというのは、哲学にとっては深刻な問題だ。しかし、哲学に関心がない普通の人からは、何でそんなにこだわるのだろうと、その厳…

『哲学・航海日誌』(野矢茂樹・著、春秋社)

野矢茂樹さんという哲学者にはまって、ヤフーで野矢さんの本をかなり買い込んだ。それが届いたので読み始めているのだが、やはり面白い。「読書」のカテゴリーで感想を書いたりしようと思ったのだが、読むそばからいろいろな思いが浮かんでくるほどこの本が…

『現象学ことはじめ』(山口一郎・著、日本評論社)

この本の序章には次のような文章がある。 この「受動性」の領域の開拓は、現代哲学の展開にとって、もっとも革命的で画期的な出来事でした。この領域こそ、デカルト(1596〜1650)に始まる近世哲学以来、現代哲学に至るまで、問題にされたり、無視さ…

無限の面白さ

最近、野矢茂樹さんという哲学者にはまっている。何でこの人をもっと前から読まなかったんだろうかとちょっと悔やんでいる。論理やウィトゲンシュタインなど、僕が関心を持っていることをこれほど面白く語る人なのに、どうして若いころに出会わなかったんだ…

事実とは何か

事実とは、辞書的に解釈すれば「本当にあったこと」というようなものになる。だが、ある出来事が本当にあったかどうかという判断は時にたいへん難しいものになる。 例えば手品を眺めているような場合、何もない箱から鳩が出てきたのを見たとする。このとき「…

『無限論の教室』(野矢茂樹・著、講談社現代新書)

この本は、今日図書館で借りたのだが早くも半分読み進んだ。一言で言えば面白いという感想だ。面白いのでどんどん読み進むことが出来て、半分まで行ってしまった。数学屋にとって、特に論理面が好きな僕にとってはこの本は、関心を持っていることのほとんど…

オリンピックへの無関心

僕はオリンピックへの関心が全くない。もはやスポーツに真実なんかないと思っているからかも知れない。それは、金儲けの道具に成り下がっているので、感動さえも演出されたものにしか見えない。あれなら、最初から演出しているんだと宣言しているプロレスの…

論理は相手を選ばない

一応の理屈を立てて物事を考えることが出来る人でも、その論理が普遍的にすべての対象に対して成り立つものであるということを深く考える人は少ない。ディベート的な議論において、実に鋭く相手を批判する論理を立てたとしても、その同じ論理で自分自身も批…

ノーミソの目

「ノーミソの目」というのは、仮説実験授業研究会の徳島の小学校の先生の新居信正さんが使っていた言葉だ。この目は、現実の目が見えないものを見ることの出来る目で、想像力で、見えないものを見る目と言えばいいだろうか。 この「ノーミソの目」が発達して…

『「リアル」だけが生き延びる』(平田オリザ・著、ウェイツ)

平田オリザさんの本は、講談社新書の『演劇入門』を手にしたのが最初だった。その発想の斬新さは、まったく考えたこともない視点を教えてくれ、しかもその視点から見ることの素晴らしさをたくさん教えてくれた。 『演劇入門』でも、「演劇のリアル」とは何か…

『同一性・変化・時間』(野矢茂樹・著、哲学書房)

同一性と変化というものは、形式論理的に捉えれば絶対的に対立する相容れないものである。それが同一性を保っていれば、どこも変化していないし、どこかが変化していればそのことで同一性は崩れている。 しかし、世の中の現象というのは、変化しているにかか…

形式論理的思考

形式論理的思考の最たるものは矛盾律ではないかと思う。ある出来事の肯定と否定とが同時には成り立たないと言うのは、日常感覚でもそのように感じている人は多いのではないかと思う。この感覚がないと推理小説も楽しめない。ある時刻に、その場所にいたとい…

山勘(直感)の重要性

卒業文集に表題のような内容の短い文を書いた。数学は論理一辺倒で進めるものと思っている人が多いかも知れないが、論理の方は、他人への説明と、正しいことの確認のために使うことが多く、論理の展開はほとんど直感的にひらめいたことを基にしていることが…