2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

論理トレーニング 15 (議論の組み立て)

野矢さんが提出する次の例題は文章が非常に長い。慎重に構造をたどっていこう。 例題2 次の文章において、その主題、問題、主張を、それぞれまとめよ。(必ずしも問題文からの抜き書きではなく、自分で的確にまとめよ。) 「自然科学の強みは実験ができるこ…

論理トレーニング 14 (議論の組み立て)

議論の組み立ての訓練として提出されている問題を考えてみよう。まずは例題として出されている次の問題だ。 例題1 次の文章をより論理的に明確になるように接続関係を明示して書き直せ。 「現在の金融引き締め政策は、海外諸国の好況に支えられた輸出の伸び…

論理トレーニング 13 (接続の構造と議論の組み立て)

野矢さんが提出する、接続の構造を求める最後の課題問題は次のようなものだ。 問6 次の文章を読んで問に答えよ。 1 人間の脳には皺がある。 2 これは、われわれが大量の情報を脳で処理しなければならないからである。すなわち、 3 脳において高度な役割…

論理トレーニング 12 (接続の構造)

野矢さんが提出する次の課題問題を考えてみよう。 問5 次の文章を読んで問に答えよ。 「ディズニーランドが不況にも強い最大の理由は、それが「カルト的ビジネス」の特徴を持っているからです。普通の人が普通の遊園地に行ったならば、一つの乗り物には一回…

論理トレーニング 11 (接続の構造)

さて、解答のない課題問題を考えてみようと思う。まずは次の問題からだ。 問4 次の1〜5の接続構造を記号と番号を用いて図示せよ。 1 一般に「人殺し」を問題視する人たちは、「殺す者」と「殺される者」が互いに相手を「人」として見ていることを、簡単…

内田樹さんへの共感

内田さんの一番新しい本『ひとりでは生きられないのも芸のうち』(文藝春秋)を読んでいる。この本も随所に共感できる言葉があふれている。まずは、まずは長い「まえがき」からそれを拾い出してみよう。内田さんは、この「まえがき」を「「あまりに(非)常…

[論理論理トレーニング 10 (接続の構造)

野矢さんが、論理構造の解析を求める次の問題は以下のものである。 問3 次の文章を読んで問に答えよ。 「ある心理学者たちはこう主張する−− 1 カラーテレビの画像の色は、実は目の錯覚をうまく利用したものなのである。その根拠は、 2 カラーテレビに映っ…

論理トレーニング 9 (接続の構造)

さて、前回積み残した問題の解答を考えてみよう。問題は次のものだ。 問2 次の文章を読んで問に答えよ。 「優秀な技術は、もちろん販売を成功させるための一つの要素ではあるが、その寄与する程度を過大に評価してはならない。技術の独占は意外と長続きしな…

論理トレーニング 8 (接続の構造)

さて、次に野矢さんが提出する練習問題を見てみよう。これも接続の構造を分析するものだ。 問1 以下の文章は、日本の「洋間」を訪れた外国人がその部屋を「和風」だといって賞賛するという設定の発言である。1〜5の接続構造を記号と番号を用いて図示せよ…

論理トレーニング 7 (接続の構造)

接続の構造は、野矢さんの解答を見ても、それが正しいと確信するのに苦労するところがある。全体の構造というのは、単に部分である言葉(接続詞)だけを見ていても分からないところがあり、文脈というものを読み取る必要があるからだろう。この文脈というや…

論理トレーニング 6 (接続の構造)

さて、接続詞の選択では、接続詞の前後の文章の論理的関係が考察された。これが「接続の構造」と呼ばれる章では、接続詞の前後だけではなく、ある主張を主題に持ったまとまりのある文章の全体に関して、論理的な接続関係の構造を捉えようというものになる。…

共感することと理解すること

僕は内田樹さんと宮台真司氏とが好きな著者で、その著書のほとんどを持っている。内田さんの本で持っていないのは、翻訳をしたものくらいだろうか。ただ、内田さんには「さん」をつけて呼び、宮台氏にはいつも「氏」という敬称をつけて呼んでいるように、こ…

論理トレーニング 5 (接続詞の選択)

さて、解答のない課題問題を引き続き考えてみよう。まずは次の問題だ。 問4-3 「日本でも、玄関の戸は現在では引き戸ではなく、ほとんどがドアになった。 <しかも/しかし>、 欧米と同じようなドアでありながら、欧米と異なっているのは、外開きであることだ。…

大岡信 「青空」について

msk222さんのエントリーへの書き込みで、大岡信の「青空」という詩を思い出した。この詩は、詩という芸術の面白さに気がつき始めたころ、青春の輝きを感じさせてくれるような、思い出深い詩だった。ずいぶん前のことなのに、この詩は小さいノートに書き込んで取っ…

論理トレーニング 4 (接続詞の選択)

野矢さんが提出する次の問題を見てみよう。 問3 「風土そのものが持つさまざまな特徴は、具体的に人間の生活と結びついて我々自身の特徴となる。 (a)<それゆえ/たとえば> 稲およびさまざまの熱帯的な野菜や、麦およびさまざまの寒帯的な野菜は、人間が自…

論理トレーニング 3 (接続詞の選択)

さて、接続詞を選択する野矢さんの次の問題は以下のようなものだ。 問1-3 「地球を周回している宇宙船の中では無重量状態であり、それゆえ「軽くなった空気が上昇する」とか「重い空気が下がる」ということはない。 <しかも/したがって>、 宇宙船の中で…

論理トレーニング 2 (接続詞の選択)

今までは、野矢茂樹さんの提出する例題を考えてきたが、今度は本格的な練習問題を考えてみよう。例題では、野矢さんの解説にほぼ同意できたのだが、練習問題では気分的に違う答えを選びたくなる感じが沸いてくる。それだけ練習問題のほうが難しいということ…

ガソリン税の継続あるいは廃止の主張の論理を分析する 1

東京新聞の「ガソリン税暫定税率 2008年1月27日 朝刊」という記事に書かれている、自民党・民主党双方の主張に対して、その論理の流れを分析してしみようと思う。その接続詞の使い方などから、その論理がどのような流れになっているかを見てみたい。まずは、…

論理トレーニング 1 (接続詞の選択)

野矢茂樹さんが提出する問題を詳しく考えていきたいと思う。まずは次の問題だ。 問題 次の文章において適切な接続表現を選び、どうしてそれが適切であり、他方が不適切なのかを説明せよ。「人間関係をその結びつき方の形式によって分けると、「タテ」と「ヨ…