2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

言語なしの思考は出来るか

僕は、三浦つとむさんの言語論で言語について学んだこともあり、言語という対象はあくまでも表現されたものという前提を持っている。それは空気の振動による音声であったり、文字による表現であったり、形式は違うことはあるけれども、ある物質的存在を鏡と…

唯物論・観念論という哲学的考察と日常感覚との関係

唯物論・観念論というような高度に抽象的な対象について考えていると、それが日常感覚とは別世界のことを考えているような気がしてきてしまう。これを何とかごく普通の現象と結びつけて、哲学的な空想論として終わらせるのではなく、役に立つ知識として利用…

「馬は動物である」という判断は唯物論的か

唯物論的な意味で認識というものを考えると、それは物質的存在が人間の脳に像として反映してその存在を捉えるというものになる。唯物論はまず物質的存在の方を第一義に考えるので、認識はその存在の反映というものとして捉える。決して、人間の方に何か認識…

具体的な対象に対する論理と抽象論の展開

昨日本屋で仲正昌樹さんの『ラディカリズムの果てに』(イプシロン出版企画)という本を買った。この本の帯には 「おい! そこの“ラディカル”な左翼(バカ)! うるさいから黙ってろ。」 という過激な言葉が書かれている。自分のことを「左翼」と規定してい…

論理の飛躍について −−無限を扱う場合

実無限と可能無限について考えたとき、無限の全体を把握したと考える実無限については、いろいろと困ったことが起こることが見つかった。いわゆるパラドックスと呼ばれるものだ。パラドックスでなくても、有限存在である人間的な感覚からすると奇妙に感じる…

世界観や立場と真理性の問題

僕は若い頃に三浦つとむさんに出会い、その見事な論理の展開に魅了されて、すっかり唯物弁証法の信奉者になった。これこそが現実の真理を発見する方法だと思ったものだった。数理論理学も真理に至る一つの道だとは思ったが、それは数学という限られた対象の…

論理の適用範囲を広げることの危うさと普遍的真理を求める哲学の魅力

仮説実験授業の提唱者である板倉聖宣さんは、「バカの一つ覚え」という言葉で科学に対する絶対的な信頼感を語るときがある。それは常に成立する絶対的真理であり、常に同じ主張が出来ると言うことから、「バカの一つ覚え」のように繰り返せるものだという主…

素朴な直感とパラドックス

僕が論理に関心を持ち始めたのは、数学を本格的にやり始めたときに、その基礎がさっぱり分からなくなったことがきっかけだった。素朴な直感に支えられて数学をしていた高校時代まではほとんど躓くことがなかったのに、厳密に数学を考え始めたとたんにその厳…

具体的な二項対立とその解決の方向性

二項対立というものを抽象的に捉えると、それが複雑な構造を持っていて、簡単にどちらか一方を否定するだけでは解決しないものがあるということが分かる。その場合は、否定したと思った一方の側が、意外なところでよみがえって、その時は正しいと思っていた…

二項対立の止揚としてのヘーゲルの弁証法

僕は、弁証法の論理を三浦つとむさんを通じて学び、それが発想法として有効だという板倉聖宣さんの指摘が気に入っていた。三浦さんが語るヘーゲルについて学ぶことはあっても、直接ヘーゲルに関して学ぶことはしてこなかった。それは、ヘーゲルの言い回しが…

元気でいること

今週配信されているマル激のゲストは衆議院議員の辻本清美さんだ。その前は自民党総裁候補の河野太郎さんだった。またちょっと前には、民主党の保坂展人さんが出ていた。いずれの人にも共通するのは「元気」だと言うことだった。難しい問題に取り組み、逆風…

二項対立の図式について

昨日本屋で見つけた仲正昌樹さんの『分かりやすさの罠』(ちくま新書)という本が面白い。まだ最初の部分しか読んでいないのだが、二項対立というキーワードで世の中の現象を見ていくと、いろいろとその意味が分かってくるようなことが多いのではないかと感…

男の闘争本能について

お昼をよく食べに行く近所のそば屋にマンガがいくつか置いてある。僕は子どもの頃からマンガをよく読んでいたので、料理が出てくる間にそれをよく読むのだが、ヤクザを主人公にしたマンガに面白さを感じて読むことが多い。僕はヤクザとはまったく関係がない…

徴兵制あるいは軍隊の功罪について

宮台真司氏は、韓国と日本との大衆の意識の違いについて、徴兵制というものの存在を大きな要因としてあげることがある。韓国には徴兵制というものがあるので、それを経てきた男たちは、国家というものを強く意識し、不条理な世界での生活が日常性を見直すき…

モラルやマナーの問題とルールの問題を再考

昨日のエントリーへのmechaさんの書き込みで、村上氏の違法性ということについて一定の理解が得られたような気がする。確かに違法性というものがあったようだ。だから法的に裁かれるというのは仕方のないことになるのだろう。しかしまだ釈然としない思いが残…

モラルやマナーの問題とルールの問題

僕は小学生の頃にプロレスのファンになったが、子どもだった頃は、単純にジャイアント馬場やアントニオ猪木が一番強いものだと思っていた。よく考えてみれば、テレビの中継に合わせて試合が終わったり、どんなにたくさん試合をしても決して負けないなどとい…

映画の感想

土曜・日曜はケーブルテレビで撮りためた映画を見ることが多い。僕は、だいたい好きな俳優が出ている映画を見ることが多い。日曜日もカーク・ダグラス主演の「巨大なる戦場」という映画を見た。映画の感想を語るにはどうしてもそのストーリーにも触れなけれ…

昭和天皇(裕仁天皇)の戦争責任

以前に宮台真司氏が、昭和天皇には戦争責任がないということを話していたことを記憶している。その時にちょっと違和感を感じたので記憶に残っているのだが、宮台氏は昭和天皇に対しては個人的な好感の感情を抱いているということも言っていた。そう言うこと…