ノーミソの目

「ノーミソの目」というのは、仮説実験授業研究会の徳島の小学校の先生の新居信正さんが使っていた言葉だ。この目は、現実の目が見えないものを見ることの出来る目で、想像力で、見えないものを見る目と言えばいいだろうか。
この「ノーミソの目」が発達して、見える世界が広がっていくことが認識の発展と言うことになる。教育の課題は、この「ノーミソの目」をいかに発達させていくかと言うことになるだろう。
現実の目であっても錯覚を起こすのに、見えないものを見ようとする「ノーミソの目」はさらに錯覚を起こしやすい。見間違える可能性を常に持っている。
論理による推論の能力というのは、この「ノーミソの目」の能力になるだろう。
新居さんは、「ノートはノーミソを映す鏡である」という言葉も残している。これは、ノーミソの目で見たものをノートに記録することによって、それを明確にし、さらによく見えるようにすることが出来ることも語っている。ノートというのは、ただ教師が言った言葉をそのまま書き写すのではなく、自分のノーミソの目で見たことを書き写すことによって本当に役に立つのだと言うことだ。