2007-01-08から1日間の記事一覧

理論構築における抽象(=捨象)−−何を目的として何が引き出され、何が捨てられるのか

わどさんから「「成熟社会」論の震源地/批評」というトラックバックをもらった。トラックバックをもらった僕のエントリーは「成熟社会にふさわしい教育とは」だ。ここで書かれているわどさんの感情的な思いというのは理解できる。「近代成熟期にはいると、…

「ファシズム」概念を抽象する 1

『ファシズム』(アンリ・ミシェル著・文庫クセジュ)という本をヒントに、「ファシズム」の概念が出来ていく過程を考えてみたいと思う。概念というのは、思考を進める出発点になるものだ。たとえば数学などで、「偶数とは2で割り切れる整数のことである」…

「ファシズム」について考える−−特に抽象の過程について

「ファシズム」の概念やイメージについては専門家でさえも一致したものがないそうだ。これは現実を対象にした考察ではしばしばそういうことが起こるのではないだろうか。現実からある概念を抽象するとき、その対象をどういう視点から見るかで抽象の過程が違…